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咳が止まりませんこんばんは。
ネタが無いのでその場しのぎの軽い物語でも書きます。 未来の未来のそのまた未来。 科学は進歩し、21世紀前後から開発の進んでいたロボットは、より親しみやすいよう、人型としての完成を見ることになり、今や家庭に無くてはならない存在になっていました。 自律稼働など、もはや常識的な機能の1つでした。 とある国のとある町、とある家に男の人が住んでいました。 男はとても貧しくて、家事を手伝うロボットが買えません。 他所の家庭では、何でもこなすロボットが、父の愚痴に相槌を打ち、母の家事を手伝い、子供達の良き遊び相手として立ち回っておりました。 あのロボットは、良心的な値段ではあるものの、やはりそれなりに値の張るもので、男の今の経済状況では手を出せません。 そんな彼の家にいるロボットは、たった1人だけ。それも、料理の仕方も学習していない、中古の掃除機と同じような値段のものでした。 彼の補助程度ならできますが、1人で物事をこなす事ができません。 女性型なのは、彼の趣味でしょう。 このロボットにできる事は、せいぜい歌を唄う程度です。 しかし、彼女の歌は、少し他のロボットとは違いました。 時々、音を外してしまうこともあったし、かと思えば普段よりもいい声で唄ったりもしました。 また、男が話しかけると、彼女は歌を止め、男の声に応えるのでした。 他のロボットではこうは行きません。 普通なら、1度歌い始めると、最低でも1曲は歌わない限り、中断などしないのです。いえ、中断できないよう、プログラミングされているはずなのです。 男は、彼女のそういう意外な機能に人間臭さが感じ取られ、少しだけ好きでした。 毎日、彼女に話しかけ、彼女と一緒に慣れない料理をし、洗濯物のたたみ方が違うとからかい、そして、彼女の歌を聞きながら夜風の心地良さに身を傾けていました。 そんなある日のことでした。 彼女が突然、自ら歌い始めました。とてもとても古い歌でした。 彼女の中にある小さな記憶チップには、幾億もの歌が内蔵されています。最新流行のものから、遥か昔の原始的なものまで、聞こうと思えば、生きている内には聞き切れないほど内蔵されています。 しかし、男が驚いたのは、彼女が21世紀頃の歌を選んだからではありません。 今まで彼女が自分の意志で歌っている所など、見たことが無かったからです。 メロディーまで口ずさむ彼女は、とても気分が良さそうです。 男は不思議に思って、彼女に訊ねてみました。 すると彼女は恥ずかしそうに、とても単純な、でも、人間ならば皆が納得してしまうような理由を述べました。 話す彼女のはにかんだ笑顔は、彼女がロボットであるということを忘れさせました。 それから、彼女は毎日のように、頼みもしないのに歌を唄うようになりました。 彼女の選曲はどういう訳か男のその時の気分によく合っていて、彼の心を癒しました。最初から良い気分の時は、更に幸せを上乗せするような曲を唄いました。 生まれた頃から孤独だった男でしたが、彼女が歌い始めたその日から、まるで寂しさを感じなくなりました。 ある日、男は彼女に訊ねました。 「君は、こんな貧しい家から出て行こうとか、もっと良い家に買われたかったとか、考えた事はないかい?」 彼女は、迷うことなく首を横に振りました。 何故? 生活も大変だろうと、男は質問を続けました。 彼女は、少し考えた後で言いました。 「だって、私を選んでくれたのだもの。そんな人をないがしろになんて、出来る筈がありません」 そして、男の手の上に、自分の手を重ねました。 彼女の手は、人の肌と変わりませんでした。 「それに、私達は人を幸せにするために造られたんです。不幸な人を助けようともせず、裕福な家庭に逃げてしまうなんて、矛盾してると思いませんか?」 微笑む彼女を見て、男は、二度とこんなつまらない質問をするまいと心に決めました。 おわり。 うわ、かなり長くなった。 もしかしたら設定だけ後々使うことになるかもしれません。 PR ![]() ![]() |
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