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009の原作を読み返してますがこんばんは。
ハインリヒ格好良いよハインリヒ。
00ナンバーで特に好きなのは004のハインリヒと005のジェロニモかな。
ジョーは別格ということでひとつ。

004はよくハインリヒとかハインリッヒとか表記されていますが、これはドイツ語の発音上の問題だからどうしても違いが生まれるんですよね。
実際に説明しようとすると難しいですが、とりあえずハインリヒをドイツ語で表記すると、多分ですが「Heinrich」になると思います。
資料無しで書いてるのでちょっと自信ないですが、まあ大体こんな感じだと思います。

ここからちょっと面倒臭い学問話になるのですが。
この際ドイツ語の基礎的な所も書いちゃうか。
ドイツ語を勉強しようと言う人は基礎中の基礎として覚えてれば少しだけ学び易くなるかもね。

ドイツ語はアルファベット+ウムラウト音+β(カタカナ表記で読みを書くとエス―ツェット)から構成される言語です。

βは「ss」の省略系として使われることがある文字です。
勿論アルファベットの読み方はドイツ独自のものになっているのも多々あります。
面倒なので書きませんが、そこは適当に調べてくれれば分かります。
あ、でも「r」は結構厄介なので、学ぼうとする人にとっては最初の壁ですね。
うがいをするときのような「喉を鳴らす」といった行為も、ドイツ語では発音に組み込まれています。
初めはやり過ぎてえづく人もいるかも。

ウムラウト音というのは、「a」「o」「u」にのみ適用される発音の変化を表すもので、家のパソコンでは表示できないのですが、それぞれの文字の上に、点が横に二つならんだ記号が追加されてます。¨←こんなん。

どんな変化かと言うと。
ドイツ語では「a」は「アー」と発音しますが、ウムラウトが付くと「エイ」と読むようになります。
これは簡単なのですが、後の二つはちょっと複雑で、「o」の場合は「オー」と発音する際の口の形をそのままに、「エー」と発音します。
「u」の場合は「ユー」と発音する際の口の形で「イー」と発音します。
やってみよう。

さて本題。ハインリヒの表記の問題。
ぶっちゃけると今まで書いたことは知らなくても本題とは関係ない。

ドイツ語の単語や文は、大抵ローマ字読みをすれば読めるんですが、やはり中には英語とも違う特殊な読みをする組み合わせもあります。
例えば、「ei」をカタカナ表記で言う所の「アイ」と読んだり、「eu」を「オイ」と読んだり。

先ほど書いたハインリヒの大まかドイツ語表記「Heinrich」にもそういった特殊な組み合わせがあります。
「rich」です。

特殊なのは「ch」の部分なんですが、これ結構面倒なんですよね。覚えればどうということはないですが。
「Deuchland」という語があります。綴りがあってるかどうか微妙です。
とりあえず、これはまあ「ドイツ」という意味の単語なんですが。
これをカタカナで表記すると「ドイッチュランド」とか「ドイチュランド」とかになります。
間抜けっぽいですが、マジです。これが現実です。

この単語にも「ch」が使われていて、読みから分かるように、英語の「ch」とも同じような発音になるのですが。
実は別の用法も存在します。つーか、ドイツ語だとそっちもかなりの割合であります。
それが、ハインリヒの「リヒ」「リッヒ」である「rich」です。説明しんどくなってきた。

特定の条件下では、「ch」に発音がなくなってしまうのです。
厳密に言えばなくなってはいませんね。言語学的に言えば声帯の振動によらない発声、無声音になるのです。

無声音が分からないとどうしようもないか。
えーと、簡単に言えば「ハ」と発音する際に、その発音を段階的に分解して「h/a」としたときの「h」の部分だけになるということです。
うむむ、まだちょっと説明が伝わりにくいような。
息を「ふー」と吹くとき、実際に「ふー」という声にはなっていませんが、「フー」という発音にはなっていますよね。
あれが無声音です。
有声音と無声音のことが誰にでも分かればなあ。
でもそれはドイツ語だけでなく語学全体の勉強になってしまうから止めとこう。

話を戻します。
「ch」が先に言った無声音化する条件と言うのは、うろ覚えなのですが、「ch」の直前に母音があること、「ch」が単語の最後尾、または母音の直前にあることだったかと思います。

つまり、「ハインリヒ」の「ch」は、「Heinri“ch”」単語の最後尾にあり、「r“i”ch」直前に母音があるため、無声音化が成立します。
ここで厄介なのが、日本語による表記法なのです。
やっとここまで説明できた。

上記の条件下における「ch」の発音は、その直前の母音の影響を受けて発音されます。
例えば、「ア」と、息を思いきり吐き出すように発音すれば、途中から「ハ」の音が声帯の振動無しで出てくるはずです。
この原理がそのまま発音に利用される訳です。
「a」なら「ハ」、「i」なら「ヒ」……といった感じで。
これが非常に厄介でして。
文字で説明するのが本当に難しい。

いっそ「ハインリッ」と表記しても間違いとは言い切れないんです。
無声音だから。

日本語でも、間の抜けた感じで「おっしゃる通りで」という表記をすることがありますが、「おっしゃる通りです」の「す」が切られてます。
これも無声音だからです。
この例を参考にしていただければ理解しやすいかも。
もっと極端な例を挙げてみよう。
ローゼンメイデンの翠星石の「ですぅ」とか使えますね。
この「ですぅ」は「す」を伸ばすことで完全に有声音として発音していますね。
言葉の最後の最後までアクセントを付けることになるわけです。
俺は何をクソ真面目にキャラクターの解説をしとるんだ。

で、「ch」ですが。
多分、「ハインリヒ」という表記は、先の例でいう所の「おっしゃる通りで」であり、「ハインリッヒ」というのは「ですぅ」になります。
「ヒ」の無声音部分の長さが原因でしょうね。
息を吹いている訳ではなく声を出そうとしているので、ずっと発音していると、「ですぅ」のように次第に声帯の振動が加わります。
ですぅ使うとスゲー説明しやすい。

「リッヒ」というのは、語の終わりを長く発声することで無声音部分の後に有声音が現れ、無音声部分が促音化しているためにこう表記されているのでしょう。
促音というのは「っ」のことです。中学生以上なら分かるはず……ッ!

反対に「リヒ」は語の終わりを短く切っているため、無声音のまま語が終わるため、促音にするわけにもいかずそのまま「ヒ」が与えられたというところでしょうか。

長々と書いてやっと結論に至りましたが、口で説明すれば5分もかからないと思います。
以上、ためにならないドイツ語講座でした。
あれっ、主旨違う?
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